たちあがれ!きみがいるまで何度も

タッキー&翼がだいすきで"最大の味方"な滝担が故に甘く優しくちょろいおたく

映画『彼女が好きなものは』感想

少し前に、映画『彼女が好きなものは』を観てきました。今更ですが今井翼さん出演おめでとうございます!昨年に続き大きなスクリーンで翼くんを観れるなんて幸せ。

原作読んでない、ドラマは少しだけ観たレベルの人間ですが感想めも。翼くん目当てで観た映画でしたが、一言でいえば難しいテーマで色々考えさせられた。ネタバレしていると思いますので気になる方は注意。

f:id:tuna0911tt:20211217003524j:image


翼くんの話

翼くん演じる誠さんは、既婚者で子供もいるけれど、年下の男子高校生の純(神尾楓珠くん)と付き合っているというゲイを隠して生活している男性。

今回、草野監督がワイルドで色気のある40代として思い浮かんだのが翼くんだったそう。そんなこと言われたら翼くんすっごく嬉しかっただろうな。

男性同士の恋愛って役は初めてだったし、ベッドシーンも思ってたよりガッツリ演じていて新鮮。純(神尾楓珠くん)との絡みが美しく、あれがギラギラすぎると援交かなってなるけどきちんと(?)エロくて美しくて付き合っている感じがでていてよかった。今井さん肩甲骨美しい…!指美しい…!結婚指輪してる男大好き芸人からすると指輪気になるよ誠さん!笑

神尾くんがインタビューで、「(翼くんから)距離感を縮めようと話しかけてくれて心を開けた。本当に優しくて全部を受け止めようと温かく包み込んでくれ、あの2人の雰囲気は今井さんとだからこそ作れた(要約)」と話していて日頃から優しいつばーさの感じが役にはまったのかなと。既婚者なのに悩み多き高校生とそういう関係になるってずるい大人代表みたいな人だけどさ、あんなに優しい声を仕草をするひとが自分と同じ秘密を抱えていて、秘密を2人だけで共有する…ってあっという間に好きになるよね。そして2人の世界は自由で幸せだろうし、理解のない外の世界では人と距離を取って自分を守っているんだから意味があるものには思えないだろうな。

草野監督も神尾くんも舞台挨拶の際に絶賛していた終盤の別れのシーン。誠さんがラムネを開けた際にラムネが吹き出すのはアクシデントでハンカチで拭くのはアドリブだったそうだけど、慌てずハンカチできちんと拭いてから純に渡してあげる仕草が誠さんの優しさとか温かさが滲み出ているようで良いシーンだった。あのハンカチも翼くんの汗拭き用で衣装ではなかったと。優しさとか温かさって時に切ない気持ちを助長させる。別れの悲しさと混ざってうるうる。

ずるい大人な誠さんは純との付き合いも遊びのような大人の余裕さを持って接してるのかなと思いきや、温泉でキスした時に家族に見られてもいいと思ったと言ってしまうくらい純のこと好きだったんだなーとかこんなに優しいのも好きだからなのか、と思うと別れは切なすぎる。でも、奥さんと僕(純)が溺れていたらどちらを助ける?という質問に最初は首振りだけで答えていたけれど、最後、奥さんを助けるよ、と言葉で答えた誠さん。あれは純を気遣っての優しさなのか…?それとも沢山傷ついてきた結果、どんなに傷ついた時でも安定してうまく取り繕う術を身につけた大人だからなのか…?俺はこれからも隠して生きていくよって暗に伝えているのか…?みんなどんな解釈なのか話し合いたいくらいー!

いつも挑戦してる翼くん。今度はどんな役の翼くんが観れるのかなって楽しみになる。

 


映画全体の感想(箇条書き)
  • 誰かの作り出した"ふつう"に囚われて

同性愛者で彼氏もいて彼といる時が何より幸せだけど、"ふつう"の恋愛をして結婚して子供も…と"ふつう"の幸せに憧れていて。誰を好きであれ純は「結婚して子供が欲しい」って気持ちがあるってところが結婚出産願望ない私のような人間からすれば凄いと思うし羨ましいと思う。誰かに羨ましいって思われているなんて自分は気づかないよね。だいたい、ふつうってなんだろう。結婚出産願望がないわたしもふつうじゃないんだろうなぁ。

  • 涙腺崩壊

お母さんがさ久々に仕事休んで息子のために手の込んだ料理作っていたら、息子が飛び降りたって連絡きたら辛すぎるよね…自殺未遂後の病室で純のお母さん(山口紗弥加さん)がさ、わざと明るくしようとしたり病室での描写に涙。

純の親友の亮平役に、まえだまえだの前田旺志郎くん素晴らしかった…!

  • 君は何をしたかったのか。

結局、全校中にバラすきっかけとなった小野っち(三浦獠太くん)、バラしたくせにクラスでの話し合いでは他人事だとみんなに向かって怒ったり結局なんなのか。学生時代にいた恋愛するときはグループ戦で、付き合うようグループで作戦立てたり仕込んだり、うまくいかなかったらフラれた友達(本人)よりふった相手に怒って相手に直接文句言いに行くみたいな子いたけれど、そんな感じなのかな(相手からするといやお前誰だよ的な)。

ふたりが納得していればいいところを無理矢理入ってくること自体ほっといてくれだし、俺らは騙されてたとかなんで君に伝えておかなきゃいけないの、その必要ある?と思ってしまう。他人にすべてを理解してもらうなんて無理なので、言わなくてもなーと思うし。純みたいにカミングアウト(というかほぼバラされたというか)しても、誠さんみたいに隠し続けてもどちらも苦しいことだけは想像できる。

みんながみんな相手のことを理解していて、価値観の相違とかも人は人、自分は自分みたいに割り切ったり受け入れたり。誰もが誰かに優しい世界だったらこんなに辛い思いをする誰かはこの世界に存在しないのだろうけど、でもそれはすごく理想の世界の話で。翼くんが出演していた『おじさんはカワイイものがお好き。(ドラマ)』の時も思ったけれど、自分の好きも誰かの好きも大切にしないといけないな、と毎回思う。と何を言っても結局は映画の中にもあったように、自分では理解してるつもりでも実際は他人事で"理解してるつもり"なのかな。なるべく視野は広く、自分にも誰かにも優しい人でありたい。『理解することはできなくても想像することはできる』という紗枝(山田杏奈ちゃん)の言葉はみんながそれぞれに心に留めておきたい言葉。

いつも以上にまとまらない感想だけど、とりあえずみんな一回みて、少しでも何か考えたり感じたりしてほしいな。