たちあがれ!きみがいるまで何度も

タッキー&翼がだいすきで"最大の味方"な滝担が故に甘く優しくちょろいおたく

未来は常に過去を変えている

映画『マチネの終わりに』を観に行ってきました。

あらすじ

世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史は、公演の後、パリの通信社に勤務するジャーナリスト・小峰洋子に出会う。ともに四十代という、独特で繊細な年齢をむかえていた。出会った瞬間から、強く惹かれ合い、心を通わせた二人。洋子には婚約者がいることを知りながらも、高まる想いを抑えきれない蒔野は、洋子への愛を告げる。しかし、それぞれをとりまく目まぐるしい現実に向き合う中で、蒔野と洋子の間に思わぬ障害が生じ、二人の想いは決定的にすれ違ってしまう。

互いへの感情を心の底にしまったまま、別々の道を歩む二人が辿り着いた、愛の結末とは―


原作は『たった三度あったあなたが誰よりも深く愛した人だった。』って帯に興味をそそられて既に読んでいました。アメトーークの読書芸人でもおすすめされていましたね。

文章能力ゼロ人間であるわたしの感想としては、原作は緻密で繊細な印象。恋愛部分はへんなところベタな展開(携帯をタクシーに忘れて…とか)やアンジャッシュのコントくらいすれ違っている感じなのに(映画観終わった後に同じ事話してる男性がいてわかる~!ってなった)、この本が成り立つのは、主人公たちの背景や音楽・芸術、世界情勢など様々な話をうまく絡ませている物語だからなんだろうな、と。主人公である洋子にも蒔野もどこか現実離れしているけれど、蒔野のマネージャー三谷だけは人間臭いなぁと感じました。二人の間を邪魔する嫌なやつだけれど彼女の気持ちや言ってることもわからなくないし…綺麗だけじゃ成り立たない、切ない大人の恋愛。


映画では音楽にうっとり。『幸福の硬貨』はこの映画のために作られた曲だったそうですが素敵な曲で、クラシックギターが奏でる切なくてでもあたたかな旋律にうっとり。またパリやニューヨークの風景に合う!この映画の切なさや美しさを引き立たせる曲で、この曲聴けただけでも良い映画観たなと感じました。余韻に浸ることができるって素敵。

ストーリーは原作と比べると時間の都合上、省略されてしまっているところも多かったですが福山雅治さんも石田ゆり子さんも板谷由夏さんも桜井ユキさんもみんな美しく、雰囲気にあっていて素敵でした。特に桜井ユキさんのシーンごとに違う演技が上手すぎでした!

洋子(石田ゆり子さん)と蒔野(福山雅治さん)が二回目に会う、パリで食事するシーンがあるんですが、その時の石田ゆり子さんが本当美しくて…!ネイビーのシャツを腕まくりして深緑のロングスカートのコーデに細身の腕時計が上品可愛すぎる。輝いていた…!


原作、映画共通して印象に残った言葉が、『人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるともいえるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?』というフレーズ。未来によって過去は辛く感じたり、逆に良い思い出になったり、過去は変わらないと思っていましたが確かにとても移ろいやすいものだなぁと。辛い過去は良い過去に変わるような未来が、良い過去はそのまま良い過去であるような未来がいいな。